厚生労働省では「外国人雇用状況」の届出状況を定期的に公開しています。
この資料では、国籍別・在留資格別・都道府県別・産業別・事業所規模別の外国人雇用状況がわかります。
参考:「外国人雇用状況」の届出状況 (mhlw.go.jp)
この記事では、全産業に関する外国人雇用の概況を踏まえた医療、福祉の分野について簡単にまとめています。
令和5年 10 月末時点で、外国人労働者数は 2,048,675 人、外国人を雇用する事業所数は 318,775 所であり、令和4年 10 月末時点(1,822,725 人、298,790 所)に比べ、225,950 人、19,985 所増加しています。
外国人労働者数及び外国人を雇用する事業所数ともに、届出が義務化された平成19 年以降、過去最高を更新しています。
産業別に外国人労働者数を見ると過去15年を通じて「製造業」が最も多く、直近では全体の 27.0%を占めています。
介護が含まれる「医療、福祉」は2013年には1万人であったのに対して、10年間で9万人(9倍)と他の産業に比べても増加しています。
なお、介護分野における外国人の受入実績等によれば技能実習と特定技能の在留者数は3~4万人程度であり、
医療、福祉分野に従事する在留外国人労働者の実に半数が技能実習生と特定技能外国人であることがわかります。
「技能実習」の在留者数:15,011人(2022年6月末時点)
「特定技能」の在留者数:17,066人(2023年1月末時点)
参考:介護分野における外国人の受入実績等 (mhlw.go.jp)
図1 産業別外国人労働者数の推移(出所:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ)
対前年増加率についても、長期でみると建設業の増加率が目立ちますが、業界動向の影響を受けやすいためか年によって波があるように見受けられます。
一方、医療・福祉分野の増加率は特にこの近年、他の産業に比べて高い傾向があります。
コロナ禍の医療、福祉現場は日本人のみならず、外国人雇用者のみなさんの方の存在にも助けられていたという一面がこの結果からうかがえます。
図2 主な産業の外国人労働者数対前年増加率の推移(出所:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ)
外国人労働者数を国籍別にみると、ベトナムが518,364 人と最も多く 外国人労働者数全体の 25.3%を占めています。
次いで、中国 が397,918 人(同 19.4%)、フィリピン 226,846 人(同 11.1%)の順となっています。
対前年増加率が大きい主な3か国をみると、インドネシアが 56.0%(43,618人)増加、ミャンマーが49.9%(23,690 人)増加、ネパール が23.2%(27,391 人)増加しています。
なお、城北管理協同組合の受け入れ可能国は現在、中国、ベトナム、モンゴル、フィリピン、ミャンマー、タイ、ネパール、インドネシア、パキスタン、スリランカのアジア10カ国となっています。
介護分野で外国人の雇用・受け入れを検討されている場合は、以下の記事をご覧ください。
介護職種 受け入れるならどの国がよい? – 介護外国人材シリーズvol.4 – 城北管理協同組合 (johokukanri.com)
図3 産業別・事業所規模別外国人労働者の割合(出所:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ)
外国人を雇用する事業所数の産業別の割合をみると、「卸売業、小売業」が18.7%、「製造業」が 17.2%、「宿泊業、飲食サービス業」が 14.3%となっています。
「医療、福祉」は20,537所で6.4%となっています。他の産業と比べると割合は低いですが、それでもすでに2万を超える事業所で外国人労働者が活躍しているという結果となっていますね。
令和3年経済センサス‐活動調査における「産業大分類別民営事業所数及び従業者数」では「医療、福祉」の事業所数は459,656となっており、約22%の事業所(5つに1つ)で外国人が雇用されているという計算になります。
参考:令和3年経済センサス‐活動調査 結果の要約<速報集計> (stat.go.jp)
また、外国人を雇用する事業所数を事業所規模別にみると、「30 人未満」規模の事業所が最も多く、事業所数全体の 61.9%となっています。
「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、外国人を雇用する事業所数はいずれの規模においても増加していますが、「30 人未
満」規模の事業所が前年比で 最も大きい増加率(7.5%増)となっているということです。
図4 産業別・事業所規模別外国人雇用事業所の割合(出所:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ)
今回は「外国人雇用状況」の届出状況から産業別や事業所規模別などのデータをご紹介しました。
今後ますますの人材不足が懸念される介護分野ですが、日本で働きたいと思ってくれている外国人の方にもっと多くの雇用の扉が開かれ、雇用する事業所側も雇用される外国人側もお互いがWin-Winな関係を作っていけるとよいと思います。
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