政府は2月9日、「外国人材の受け入れ・共生に関する関係閣僚会議」を開催し、「技能実習制度」を廃止し、新制度「育成就労」を創設する”方針”を決定しました。
本記事ではその概要をご紹介します。
なお、関連する法案の提出や成立は今後実施される予定のため、参考としてご覧ください。
技能実習制度は「日本の技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う【人づくり】に協力することを目的」として運用されてきました。
創設の歴史は1993年にさかのぼりますが、30年を超えたいま、技能実習は発展的に解消し、改めて「育成就労(仮称)」という制度として生まれ変わろうとしています。
各種報道によると、政府は2月9日、「外国人材の受け入れ・共生に関する関係閣僚会議」を開催し、「技能実習制度」を廃止し、新制度「育成就労」を創設する”方針”を決定したとのことです。新制度に関する法案を今国会に提出し成立を図ります。
育成就労制度に関する方針としては、人材確保を目的としていることや、一定期間経過後に同じ業務分野での「転籍」も条件付きで認めることなどが、これまでの技能実習制度と大きく異なる点です。
*技能実習は、発展途上国に技術を伝える「国際貢献」を目的とした制度であるのに対して、育成就労制度は「人材確保・育成」に重点を置く。
受け入れる職種は介護や建設、農業など、専門の知識が求められる特定技能制度と同じ分野に限るとしており、それ以外の職種についても今後、人材確保などの観点から追加するかどうか検討を進めるとしています。
技能実習生を受け入れている企業にとっては、気が気ではないお知らせと思いますが、有識者会議の報告書によると
移行期間を十分に確保するとともに丁寧な事前広報を行う。
としているため、ある日突然技能実習が打ち切りになったり、実習生が強制的に帰国となったりすることはおそらくないでしょう。
「監理団体」については、名称が「監理支援機関」に変わり、新たな許可基準をもとに審査を厳格にすることや、外部監査人の設置も義務化し、中立性や独立性を担保する方針です。
城北管理協同組合は「優良監理団体(許1704000776)」として認可を受けており、現在設置が任意の外部監査人もすでに設置しています。
今後も制度の廃止・新設などの情報収集に努め、政府が掲げる「日本人と外国人が互いに尊重し、安全・安心に暮らせる共生社会の実現」を念頭に、組合企業の皆様が安心して外国人を迎え、外国人のみなさんが日本で安心して生活し、活躍し続けられる環境の整備に取り組んでいきます。
技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議での最終報告書の概要は以下です。
📝技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議_最終報告書(概要).pdf (moj.go.jp)
※現行の企業単独型技能実習のうち、 新たな制度の趣旨・目的に沿うものは適正化を図った上で引き続き実施し、趣旨・目的を異にするものは、新たな制度とは別の枠組みでの受入れを検討。
※国内における就労を通じた人材育成になじまない分野は対象外。
>計画的な人材育成等の観点から、一定要件 (同一機関での就労が1年超/技能検定試験基礎級等・日本語能力A1相当以上の試験 (日本語能力試験N5等) 合格/ 転籍先機関の適正性 (転籍者数等)) を設け、 同一業務区分に限る。
> 受入れ機関と密接な関係を有する役職員の監理への関与の制限/外部監視の強化による独立性・中立性確保。
> 職員の配置、財政基盤、相談対応体制等の許可要件厳格化。
※優良監理団体・受入れ機関については、 手続簡素化といった優遇措置。
①技能検定試験3級等又は特定技能1号評価試験合格
②日本語能力A2相当以上の試験(日本語能力試験N4等) 合格 ※当分の間は相当講習受講も可
> 就労開始前にA1相当以上の試験(日本語能力試験N5等) 合格又は相当講習受講
特定技能1号移行時にA2相当以上の試験 (“N4等)合格当分の間は相当講習受講も可
特定技能2号移行時にB1相当以上の試験 (“N3等) 合格
※各分野でより高い水準の試験の合格を要件とすることを可能とする(4、6に同じ)。
本記事は以下の記事を参考にしています
【速報】技能実習制度は廃止へ 外国人労働「育成就労」創設の方針決定 特定技能への移行を推進(FNNプライムオンライン(フジテレビ系)) – Yahoo!ニュース
政府 技能実習制度を廃止し「育成就労制度」新設する方針決定 | NHK | 外国人材
政府、「育成就労」制度を決定 外国人材育成・確保 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
技能実習に代わる「育成就労」創設に向けた政府方針決定…転籍制限「1~2年」に緩和 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)