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初めて外国人介護職員を雇用する場合に知っておきたいこと – 介護外国人材シリーズvol.3

採用活動をしていてもなかなか応募が集まらず、新しい採用方法を検討していく中で、外国人雇用に関心を持っている介護事業所が増えています。

とはいえ、外国人材を受け入れることに難しいイメージを持ち、なかなか腰が上がらないという方もいるのではないでしょうか?

 

そこで今回は外国人材を受け入れるメリット・デメリットや在留資格の概要、初めて外国人を雇用する際に知っておきたいことを解説していきます。

人材不足の現状を打破したい、外国人を雇い入れたいと思っている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

 

 

深刻化する人材不足

介護業界は、「2025年問題」や「2040年問題」と言われているように働き手が今後ますます不足することが予想されています。

厚生労働省が公表しているデータによると、2040年度には約280万人の介護職員が必要であると言われています。

 

これに対し、2019年時点での介護職員数は210万人であり、裏を返せば、あと20年で約70万人の介護職員を増やす必要があるということができます。

この70万人は、政令指定都市である静岡市の人口に匹敵します。

人口が減少している日本で、今後介護業界の職員を増やしていくというのは簡単なことではないように思います。

 

介護職員の数が不足するということは、良質なサービスを低下できなかったり、現場の職員の負荷が増えたりして、それが原因で離職者が増えるなども考えられます。

また、施設に入居できない方が増えれば、介護と仕事、さらには育児など現役世代への負担も増大し、日本の経済にも波及するかもしれません。

 

なんとか人材不足の状態を打破するために、採用活動費用を増やして人材の獲得に動いている施設・事業者もありますが、

せっかく採用できても長期就業につながらない、そもそも応募が少ない、などもよく聞きます。

 

 

しかし、人が集まらないからといってあきらめるわけにはいきませんよね。

 

 

介護現場の窮地を救う!?外国人材

今、介護現場に外国人材を受け入れることが一般的になってきています。

厚生労働省の掲げる指針の1つに「多様な人材の確保・育成」や「外国人材の受入環境整備」などがあるように、従来の日本人のみをターゲットにした人材確保だけではなく、技能実習生や特定技能などの外国人材を受け入れる制度が整いつつあります。

 

厚生労働省によれば介護分野の技能実習と特定技能の外国人材は3万人超、その他の在留資格も含むと4万人以上となっています。

「技能実習」の在留者数:15,011人(2022年6月末時点)

「特定技能」の在留者数:17,066人(2023年1月末時点)

(参考)介護分野における外国人の受入実績等 (mhlw.go.jp)

 

「外国人」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは言語が通用するかどうかですが、

実は、介護施設で働く外国人が日本語が何も理解できないということはありません。

日本語能力試験でN4レベル以上相当の日本語力がないと、在留資格を得ることができないためです。

 

また、同業の従事経験も求められるため、介護について全くの素人ということはなく、一定の知識や経験を備えた者が対象になります。

 

 

外国人を受け入れることによる効果

 

①人手不足の解消

外国人を雇用することで人手不足が解消されれば、サービスの質向上や労働環境の改善につながり、日本人の離職を抑制する効果も期待できます。

また、外国で同業の業務や学びを経験した外国人が即戦力となることも考えられます。

 

※なお、「技能実習」制度については、「技能の移転」による「国際貢献」が趣旨であり、単純な労働力確保のための制度ではないことに留意が必要です。また、同制度は発展的に解消され、今後「育成就労制度」として創設される見込みです。

 

②現場の多様化や活性化に貢献

日本人の中には、外国人への苦手意識を感じて自覚なく自分で壁を作ってしまったりする人もいますよね。

でも、当たり前のことですが、外国人にも日本人と同じ感情があり、夢があり、大切な家族がいます。

 

住み慣れた国を離れ、異国の地で生活をすることは、気力も体力も必要です。

日本で技能実習や特定技能を頑張りたいと思う外国人は、若さにあふれ、志が高く、努力を惜しまない人が多くいます。

 

そんな外国人の姿を見て、職員が業務への向き合い方を見直したり、外国人とのコミュニケーションを通じて成長したり、

みんなで職場を良くしていこうという一体感が生まれ、職場が活性化することも期待できます。

 

介護施設であれば、利用者にとっても、外国人が一生懸命頑張っている様子に胸を打たれてリハビリを頑張るようになったり、

外国人との会話の中で日本語を教えたりすることで元気になったりといったことも考えられます。

 

もちろん、これは外国人を雇用したら必ず実現することではなく、このような雰囲気を現場の責任者をはじめとする全員が作っていくことによってもたらされるものです。

 

 

③コスト削減につながる可能性がある

外国人を雇用する場合、技能実習や特定技能では、事業者側が負担すべき費用が決まっていたり、

外国人材を管理する監理団体などに一定程度の費用を支払ったりすることで、「新たなコスト」が生じるものがあります。

 

日本に来て頑張りたいという意欲のある方は離職率が低い傾向があり、雇用が安定すれば採用活動にかけていたコストを削減できる可能性があります。

 

また、外国人の受け入れにあたっては、自治体の助成金の利用が可能な場合があります。

 

 

 

外国人の雇い入れ時に知っておくべきこと

①言語のハードル

ある程度日本語を理解できる状態で入国するとはいえ、完璧というわけではないことに注意が必要です。

特に言葉の選び方を誤ったり、誤解が生じたりしてしまうこともあるでしょう。(日本人同士でも起こりますよね)

 

日本人にとっての英語を例にとると、英語の基本語彙は約2000語と言われています。

日本人にとって英語の苦手意識を感じる理由は「完璧」を求めたがる傾向にあることだと言われています。

 

一方、日本語の場合は基本語彙として約4000〜5000語が必要とされています。英語の倍かそれ以上ですね。

そのため、単純に覚えなければいけない単語数が多いです。

また、ひらがな、カタカナ、漢字に加えてアルファベットも使用するうえに、「は」「に」「を」などの助詞を多く使うなど

他の言語にはない独特の文法もあるため、外国人が日本語を習得するには実はとても時間と労力と根気が必要なのです。

 

もし外国人が「完璧な日本語」を強要されたら、間違いを恐れてコミュニケーションを取りにくくなってしまいます。

そんなときは、外国人にとっての日本語がどれだけ難しいものであるか。自分が外国にいたらどのように振る舞えるか。

外国人が日本語を理解できず困っている場合は、そのような視点を持って丁寧にコミュニケーションをとることが望ましいでしょう。

 

 

②文化や習慣の違い

出身国や信仰している宗教の違いも気に掛けることが必要です。

たとえば、時間に関する意識の持ち方が違っていて「約束の時間の〇分前には到着しているものだ」という日本人的な「暗黙の了解」が通用しないケースがあります。

また、信仰上の観点から食べることができないものがあったり、巡礼等の儀礼をおこなう宗教などもあります。

「空気を読む」などの「言わずもがな」「察する」なども日本独特の文化です。

誤解を恐れずに言えば、日本式の商習慣などは日本人にしか通用しないと考えるべきでしょう。

 

日本のスタイルに無理に合わせ過ぎようとしたり、異文化であることを理由に冷たい目を向けてしまうような職場では、せっかく外国人を採用してもすぐに離職されてしまうかもしれません。

 

ただ、これらのことは事前に国民性や文化の違いを把握しておくことでトラブルのほとんどは回避できるでしょう。

 

 

③外国人受け入れの手続きやルール

外国人を雇い入れるためには、さまざまな手続きが必要です。

日本へ入国するためには、在留資格の認定手続きを経て、在留カードの交付を受ける必要があります。

また、技能実習の場合は「実習計画」を、特定技能の場合は「支援計画」を作成する必要があります。

 

突然ですがここで質問です。

外国人には日本国籍がないため、労働に関する法律や権利が適用されない。〇か×か。

 

 

答えは「×」です。

外国人労働者は「安い労働力」のように考えられることがありますが、これは大きな間違いです。

「外国人労働者も法律で保護された労働者」であることを正しく理解する必要があります。

 

 

もう1問質問です。

社会保険や労災保険は日本人のみ適用されるため、外国人は加入する必要はない。〇か×か。

 

 

答えは「×」です。

社会保険や労災保険、年金も加入手続きが必要となります。

日本で生活する外国人には、日本の行政ルールが適用されるため、法律によって権利を認められる一方、納税等の義務が生じます。

 

これらの手続きなどは、すべてを漏れなく実施することに不安がある場合、サポートを提供している会社や団体もあるため、自社で抱えずに外部に委託することがおすすめです。

 

④業務に制限がある場合がある

特に技能実習やEPAの資格対象者は業務の制約が多く、なんでもできるわけではない点に留意が必要です。

たとえば一人での夜勤ができない、服薬介助ができないなどの制約や、必須業務と関連業務・周辺業務の割合を遵守することなどが挙げられます。

 

必須業務と関連業務・周辺業務についてはこちらの記事で紹介しています

介護 の 技能実習 ・ 特定技能 内容とは?- 介護外国人材シリーズvol.1 – 城北管理協同組合 (johokukanri.com)

 

 

特定技能や在留資格「介護」には上記の制約がなく、対応可能な業務範囲が広いです。

新たに外国人を雇用する場合は、どの在留資格で入国するのか、どのような業務制約があるのかを、把握しておくことが大切です。

 

 

 

サポートを活用して即戦力人材を採用しよう

今回は、外国人の職員を検討している方に向けて、注意すべきことをまとめてご紹介しました。

 

いざ外国人を受け入れようとすると、調べないといけないこともたくさんあり、現場業務が忙しい責任者の皆様には悩みの種と思います。

 

外国人の受け入れについて、ざっくばらんに相談してみたい。そもそもの制度について教えてほしい。

そのような場合は 城北管理協同組合 までお気軽にお問い合わせください。

 

 

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